投資の確定申告は必要?FPが解説【2026年8月】

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この記事でわかること

「投資信託や株式で利益が出たら、確定申告をしないといけないの?」――証券口座を開いて取引を始めた方から、こうした質問をよくいただきます。

結論から言うと、口座の種類によって確定申告が必要かどうかが変わります。 NISA口座の利益はそもそも非課税なので申告不要、特定口座(源泉徴収あり)も原則不要ですが、一般口座や特定口座(源泉徴収なし)は原則として確定申告が必要です。本記事では、口座の種類ごとの違いを国税庁・金融庁の情報をもとに整理します。

なお、本記事は2026年8月時点の制度にもとづいています。制度は改正される場合があるため、最新の内容は国税庁・金融庁の公式情報でご確認ください。

まず前提として、投資信託や株式は値動きのある商品で、購入時より評価額が下がる(元本割れ)可能性があります。確定申告の要否とあわせて、この点も踏まえたうえで読み進めてください。

結論:口座の種類で確定申告の要否が変わる

先に結論を一覧にします。

口座の種類 利益への課税 確定申告
NISA口座 非課税 原則不要(そもそも課税されないため)
特定口座(源泉徴収あり) 20.315%(源泉徴収済み) 原則不要(損益通算などをしたい場合は任意で申告可)
特定口座(源泉徴収なし) 20.315% 原則必要(自分で年間の損益を計算)
一般口座 20.315% 原則必要(自分で年間の損益を計算)

※税率20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)は国税庁の公表情報にもとづきます。NISA口座内の運用益が非課税である点は金融庁の公表情報にもとづきます。

仕組みの解説:なぜ口座によって申告要否が違うのか

特定口座(源泉徴収あり) は、証券会社が利益から税金を自動的に天引き(源泉徴収)し、代わりに納税してくれる口座です。そのため、原則として投資家自身が確定申告をする必要がありません。

特定口座(源泉徴収なし) は、証券会社が年間の損益を計算した「年間取引報告書」は作成してくれますが、税金の天引きはされません。そのため、原則として自分で確定申告をして納税する必要があります。

一般口座 は、証券会社による年間損益の計算も行われないため、自分で1年間の取引を集計し、確定申告をする必要があります。現在は特定口座を選ぶ人が大半で、一般口座は主に非上場株式など特定口座の対象外の商品を扱う場合に使われます。

NISA口座 は、制度上そもそも運用益が非課税のため、利益がいくらであっても確定申告の対象になりません。

出典:国税庁 No.1476 特定口座制度、金融庁 NISA特設サイト

注意点:源泉徴収ありでも申告したほうがいいケースがある

特定口座(源泉徴収あり)は「申告しなくてよい」だけでなく、「申告してもよい」口座でもあります。次のようなケースでは、あえて確定申告をしたほうが有利になることがあります。

  • 複数の証券会社の口座で利益と損失が出ており、損益通算(利益と損失を相殺)をしたい場合
  • その年の損失を翌年以降に繰り越す繰越控除を使いたい場合
  • 配当金について、申告することで税負担が変わる場合がある(ただし判断が複雑なため、個別の状況は税務署や税理士にご確認ください)

一方で、源泉徴収口座の譲渡損失を確定申告する場合は、その口座内の配当等もあわせて申告する必要があり、申告不要のままにはできない点に注意が必要です。

また、繰り返しになりますが、投資信託や株式は元本割れの可能性がある商品です。確定申告の要否とは別に、値動きのリスクがあることは常に念頭に置いてください。

確定申告が必要になりやすい人/不要で済みやすい人

必要になりやすい人

  • 一般口座や特定口座(源泉徴収なし)で取引している人
  • 複数口座の損益を通算したい、または損失を翌年以降に繰り越したい人
  • 給与以外の所得(投資の利益を含む)が一定額を超える人(該当するかどうかは所得の種類や金額によって異なるため、税務署または税理士にご確認ください)

不要で済みやすい人

  • 取引をNISA口座のみで行っている人
  • 特定口座(源泉徴収あり)のみを使い、損益通算や繰越控除の予定がない人

確定申告をする場合の一般的な流れ

  1. 証券会社から届く「年間取引報告書」で、1年間の損益を確認する
  2. 国税庁の確定申告書等作成コーナー、または税務署で申告書を作成する
  3. e-Taxまたは書面で税務署に提出する(受付期間の目安は例年2月16日〜3月15日ごろ。年によって前後するため、正確な日程は国税庁の公式サイトでご確認ください)
  4. 判断に迷う点があれば、税務署や税理士に相談する

家計相談の場でも、「複数の証券口座を持っているが、確定申告が必要かどうかわからない」というご相談をいただくことがあります。まずは自分の口座が特定口座(源泉徴収あり)なのか、それ以外なのかを証券会社のマイページで確認するところから始めるとよいでしょう。

よくある質問

Q. NISA口座での利益はいくら出ても確定申告は不要ですか?
A. はい。NISA口座内の利益は非課税のため、金額にかかわらず確定申告の対象にはなりません(金融庁の公表情報にもとづく)。

Q. 特定口座(源泉徴収あり)なら絶対に申告しなくていいですか?
A. 原則は不要ですが、損益通算や繰越控除をしたい場合は、あえて確定申告をすることが可能です。申告するかどうかは選択制です。

Q. 会社員です。投資の利益が少額でも申告が必要ですか?
A. 所得の種類や金額によって扱いが異なり、個別の判断が必要です。一般的な目安はありますが、正確な要否はご自身の状況にもとづき税務署または税理士にご確認ください。

Q. 確定申告をしないとどうなりますか?
A. 本来申告が必要な利益を申告しなかった場合、後日追加の税金や加算税が発生することがあります。判断に迷う場合は、申告不要と決めつけず税務署に確認することをおすすめします。

ミナト先生のまとめ

投資の確定申告は、「NISA口座=不要」「特定口座(源泉徴収あり)=原則不要」「それ以外=原則必要」という整理で、まずは大枠をつかんでおくと安心です。ただし、損益通算や繰越控除をしたい場合など、あえて申告したほうが有利なケースもあります。ご自身の口座の種類がわからない場合は、証券会社のマイページや年間取引報告書で確認するところから始めてみてください。

特定口座と一般口座の違いをもう少し詳しく知りたい方は、特定口座と一般口座の違いをFPが解説【2026年8月】もあわせてご覧ください。NISA口座の非課税枠についてはNISAの非課税枠はいくらまで?FPが解説【2026年8月】、投資信託の基本については投資信託とは?仕組みと注意点をFPが解説【2026年7月】で解説しています。

この記事を書いた人:ミナト先生/FP2級・元携帯キャリア営業(約1万契約)。通信費と家計の"損しない"見直しを発信しています。

投資判断はご自身の責任で行ってください。個別の状況に応じたご相談は、必要に応じて専門家にご確認ください。制度は改正される場合があります。最新の内容は金融庁・国税庁などの公式情報でご確認ください。

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