NISAのデメリットとは?始める前の注意点【2026年8月】

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「NISAを始めたい」と考えたとき、非課税というメリットばかりが目につきがちです。ただし、NISAには制度上どうしても避けられない「デメリット」や「注意点」もあります。良い面だけでなく、こうした注意点を知ったうえで始めるほうが、あとから「こんなはずじゃなかった」と感じずに済みます。

この記事では、FP2級のミナト先生が、NISAのデメリット・注意点を、金融庁・国税庁の公式情報をもとに整理します。

結論:NISAのデメリットは主に4つ

先に結論からお伝えします。NISAには、主に次のようなデメリット・注意点があります。

  1. 投資信託や株式は値動きのある商品のため、元本割れの可能性がある
  2. NISA口座で出た損失は、他の口座の利益と損益通算できない(繰越控除もできない)
  3. つみたて投資枠は、金融庁の基準を満たした投資信託のみが対象で、選べる商品が限られる
  4. NISA口座を開設する金融機関を変更しても、すでに保有している商品はそのまま移管できない

これらは制度の仕組み上のものであり、「使い方が悪いから起きる」というものではありません。デメリットを理解したうえで、無理のない範囲で活用することが大切です。

NISA制度の要点(出典:金融庁)

項目 内容
つみたて投資枠 年間120万円
成長投資枠 年間240万円
年間投資枠の合計 360万円
非課税保有限度額(生涯) 1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)
非課税保有期間 無期限
口座開設期間 恒久化
売却枠の再利用 売却した分の枠は翌年以降に再利用できる
対象年齢 18歳以上

※上記は2026年8月時点の金融庁の公表情報にもとづきます。制度は改正される場合がありますので、最新の内容は金融庁の公式サイトでご確認ください。

なぜNISAにはデメリットがあるのか

NISAは「運用益が非課税になる」という優遇制度です。この非課税というメリットの裏側で、次のような制約が生まれています。

  • 非課税だからこそ、損失の救済措置がない:通常の課税口座(特定口座・一般口座)であれば、投資で損失が出た場合、その損失を他の利益と相殺する「損益通算」や、相殺しきれなかった損失を翌年以降に繰り越す「繰越控除」という仕組みがあります。しかしNISA口座内の損失は、税務上「なかったもの」として扱われるため、損益通算も繰越控除も利用できません(出典:国税庁 タックスアンサーNo.1535)。
  • 長期・積立・分散に適した商品に限定:つみたて投資枠で購入できるのは、金融庁が定めた基準(信託報酬の上限、頻繁な分配金を出さないことなど)を満たす投資信託に限られます。自由に好きな商品を選べるわけではありません。

注意点・元本割れリスク

投資信託や株式は値動きのある商品です。購入時よりも基準価額・株価が下がり、投資した金額(元本)を下回る「元本割れ」の可能性があります。 NISAは非課税制度であって、元本を保証する制度ではありません。この点は、始める前に必ず理解しておく必要があります。

そのほか、次のような注意点もあります。

  • 損失が出ても税制上の救済がない:前述のとおり、NISA口座の損失は他の利益と相殺できません。短期的な売買を繰り返して損失を出すと、この点が不利に働く場合があります。
  • 金融機関の変更時、保有商品は移管できない:NISA口座を開設する金融機関は年単位で変更可能ですが、それまでに買った商品を新しい金融機関のNISA口座に移すことはできません。変更前の商品は、そのまま元の金融機関で保有を続けることになります。
  • 売却枠の再利用には1年ほどのタイムラグがある:非課税保有限度額の枠は、売却すると翌年以降に復活しますが、「売ってすぐ同じ年に買い直す」ような使い方はできません。
  • 元本保証ではない:投資信託は値動きのある商品で、購入時より価値が下がる(元本割れ)可能性があります。この点は繰り返しになりますが、最も重要な注意点です。

向いている人/向いていない人

NISAが向いている方

  • 長期的にコツコツ資産形成をしたい方
  • 元本割れの可能性を理解したうえで、無理のない金額から始めたい方
  • 非課税のメリットを活かして、長く保有し続けるつもりの方

NISAが向いていない方(慎重に検討したい方)

  • 数年以内に必ず使う予定のあるお金(生活防衛資金や近い将来の教育費など)を投資に回そうとしている方
  • 短期間で値上がり益を狙った売買を繰り返したい方
  • 元本割れの可能性を許容できない方

家計のご相談を受けていると、「NISAは絶対に得な制度」というイメージだけで始めようとする方も見受けられます。まずは値動きのある商品であることと、損益通算ができない点を理解したうえで、無理のない金額から検討することをおすすめしています。

始め方の手順

  1. NISA口座を開設する金融機関を選ぶ(1人につき1つの金融機関でのみ開設可能)
  2. 口座開設の申し込み(本人確認書類・マイナンバーの提出)
  3. 税務署による重複口座確認(開設までに一定の日数がかかります)
  4. 口座開設後、つみたて投資枠・成長投資枠それぞれで商品を選んで購入

商品を選ぶ際は、信託報酬(保有中にかかる手数料)の水準や、投資対象の分散度合いを基準にすることが一般的です。特定の銘柄・ファンドを「これが一番良い」と断定することはできませんので、複数の情報を比較したうえでご自身で判断してください。なお、証券会社ごとの手数料やキャンペーン内容は変更されることがあるため、最新の情報は各証券会社の公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q1. NISAで損をすることはありますか?
A. あります。投資信託や株式は値動きのある商品のため、購入時より価値が下がる(元本割れ)可能性があります。非課税制度であることと、元本が保証されることは別の話です。

Q2. NISAの損失は確定申告で他の利益と相殺できますか?
A. できません。NISA口座内で生じた損失は税務上「ないもの」として扱われるため、他の口座(特定口座・一般口座)の利益と損益通算することも、翌年以降に繰り越すこともできません(出典:国税庁 タックスアンサーNo.1535)。

Q3. 一度売った分の非課税枠は、また使えますか?
A. 使えます。売却した分の非課税保有限度額は翌年以降に復活し、再利用できます(出典:金融庁)。ただし、売却した年のうちにすぐ再利用できるわけではない点に注意が必要です。

Q4. NISA口座は複数の金融機関で持てますか?
A. 持てません。NISA口座は、1人につき1つの金融機関でのみ開設できます。金融機関は1年単位で変更できますが、変更前に購入した商品は新しい金融機関のNISA口座に移すことはできません。

ミナト先生のまとめ

NISAは運用益が非課税になる、家計にとって心強い制度です。ただし、値動きのある商品を扱う以上、元本割れの可能性は避けられませんし、損益通算ができないという税制上の特徴もあります。メリットだけでなく、こうしたデメリット・注意点をあわせて理解したうえで、無理のない範囲から検討していただければと思います。個別の状況によるため、必要に応じて専門家にご相談ください。

この記事を書いた人:ミナト先生/FP2級・元携帯キャリア営業(約1万契約)。通信費と家計の"損しない"見直しを発信しています。

投資判断はご自身の責任で行ってください。個別の状況に応じたご相談は、必要に応じて専門家にご確認ください。制度は改正される場合があります。最新の内容は金融庁・国税庁などの公式情報でご確認ください。


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