「先月より電気代が上がっている気がするけれど、何が原因かわからない」——そんな不安を抱えている方は少なくありません。
結論からお伝えすると、電気代が高くなる原因は一つではなく、「使用量」「基本料金(アンペア料金)」「燃料費調整額」「再エネ賦課金」「政府の料金支援の有無」という複数の要素が同時に重なって金額を押し上げています。この記事では、電気料金の内訳を一つずつFPの視点で整理し、今日から始められる見直し手順もあわせて紹介します。
電気料金の内訳を知ることが第一歩
電気料金は、次の4つの要素の合計で決まります。
| 項目 | 内容 | 2026年8月時点の目安 |
|---|---|---|
| 基本料金(アンペア料金) | 契約アンペア数や契約容量に応じた固定額 | 地域・契約プランにより異なる |
| 従量料金 | 使用した電力量(kWh)に応じて増える金額 | 使用量が多いほど単価が上がる段階制が一般的 |
| 燃料費調整額 | 火力発電に使う原油・LNG・石炭の価格変動を反映する金額 | 毎月見直され、増減どちらもある |
| 再エネ賦課金 | 再生可能エネルギーの普及費用を、電気の使用者全員で負担する金額 | 4.18円/kWh(経済産業省が公表した2026年度単価。2026年5月検針分〜2027年4月検針分に適用) |
たとえば月300kWh使用する家庭であれば、再エネ賦課金だけで月1,254円(4.18円×300kWh)を負担している計算になります(使用量300kWhの場合の一例です)。
参考までに、総務省「家計調査」(2025年)によると、電気代の月平均は総世帯で10,962円、4人世帯で13,928円となっています。ご自身の請求額と比べて、内訳のどこが平均より高いのかを確認してみると、見直すべき部分が見えてきます。
原因1:使用量そのものが増えている
在宅時間が長くなった、家族が増えた、エアコンや電気ケトルなど消費電力の大きい家電を新しく使い始めた——こうした変化があると、従量料金の部分が増え、結果として電気代全体が上がります。まずは検針票やアプリで「使用量(kWh)」の推移を確認し、料金単価の問題なのか、使用量の問題なのかを切り分けることが大切です。
原因2:燃料費調整額が上がっている時期にあたっている
燃料費調整額は、火力発電に必要な原油・LNG・石炭の市場価格を、3〜5か月ほど遅れて毎月の電気料金に反映する仕組みです。海外の資源価格や為替の影響を受けるため、契約している電力会社やプランを変えていなくても、この項目だけで電気代が変動します。仕組みの詳しい解説は「燃料費調整額とは?仕組みと上限を解説【2026年7月】」もあわせてご覧ください。
原因3:再エネ賦課金の単価が見直されている
再エネ賦課金の単価は年度ごとに経済産業省が見直します。2024年度3.49円/kWh→2025年度3.98円/kWh→2026年度4.18円/kWhと、ここ数年は上昇傾向にあります。使用量が変わらなくても、この単価改定だけで負担額は増えます。詳しくは「再エネ賦課金とは?仕組みをFPが解説【2026年7月】」で解説しています。
原因4:政府の料金支援の有無で体感額が変わる
経済産業省は、2026年7月・8月・9月使用分について、電気(低圧)は1kWhあたり7月・9月分3.5円、8月分4.5円の値引き支援を実施する時期にあたっています(2026年6月12日発表)。都市ガスについても同様に、使用量に応じた値引きが行われる時期です。
このような支援は期間限定で、実施の有無や単価は時期によって変わります。10月使用分以降の継続については、本記事執筆時点(2026年8月時点)で経済産業省から正式な発表は出ていません。支援が終了すると、使用量や単価が変わらなくても請求額だけ上がったように感じることがあります。最新の実施状況は、資源エネルギー庁や経済産業省の公式サイトでご確認ください。
見直しの具体的な手順
- 検針票やWeb明細で内訳を確認する:基本料金・従量料金・燃料費調整額・再エネ賦課金・支援額(ある場合はマイナス表示)を分けて見る。
- 契約アンペア数が使用実態に合っているか確認する:契約アンペアが実際の使用状況より大きいと、基本料金だけ余分に払っている可能性があります。詳しくは「契約アンペアの見直しで電気代節約【2026年7月】」をご覧ください。
- 使用量そのものを減らす工夫をする:エアコンの設定温度や待機電力の見直しなど、日々の使い方を調整する。具体的な方法は「電気代の節約方法|今日からできる見直し術【2026年7月】」にまとめています。
- 電力会社・プランの切り替えを検討する(比較検討の一つとして):新電力への切り替えは選択肢の一つですが、必ず安くなるとは限りません。次の章の注意点を必ず確認してから判断してください。
注意点・向いていない人
- 「乗り換えれば必ず安くなる」わけではありません。 燃料費や市場価格の変動をそのまま料金に反映する「市場連動型プラン」は、市場価格が急騰した際に想定以上の請求になった事例が実際に起きています。契約前にプランの仕組みを必ず確認してください。
- 新電力会社の中には、事業撤退や料金改定を行った例があります。 契約先を選ぶ際は、料金の安さだけでなく、事業の継続性や解約金の有無も確認する材料にしてください。
- セット割(ガスや通信とのセット契約)は、単体解約時に割引が外れる条件が付いていることが多いです。 セット内容と適用条件を契約前に確認しておくと安心です。
- 現在の契約に解約金・違約金が設定されている場合、切り替えの初期費用が想定より高くなることがあります。契約書やマイページで確認してから判断することをおすすめします。
よくある質問
Q. 先月と使用量が変わらないのに電気代が上がったのはなぜですか?
A. 燃料費調整額や再エネ賦課金の単価改定、政府支援の終了・縮小など、使用量以外の要素で金額が変わることがあります。検針票の内訳を確認してみてください。
Q. 燃料費調整額はどのくらいの頻度で変わりますか?
A. 多くの電力会社で毎月見直されます。原油やLNGなどの市場価格の変動が、3〜5か月ほど遅れて反映される仕組みが一般的です。
Q. 再エネ賦課金は契約している電力会社に関係なく払うのですか?
A. はい。再エネ賦課金は電気を使うすべての人が負担する仕組みで、電力会社やプランを変えても金額の単価自体は変わりません(使用量に応じて金額は変わります)。
Q. 政府の電気・ガス料金支援は今も続いていますか?
A. 実施の有無や単価は時期によって変わります。本記事執筆時点(2026年8月)では2026年7〜9月使用分の支援が発表されていますが、10月以降の継続は正式発表されていません。最新情報は資源エネルギー庁の公式サイトでご確認ください。
ミナト先生のまとめ
家計のご相談を受けていると、「電気代の内訳を一緒に見てみたら、使用量そのものはあまり変わっていないのに、燃料費調整額や再エネ賦課金の部分で金額が押し上げられていた」というケースによく出会います。電気代が高いと感じたときは、まず「どの項目が上がっているのか」を切り分けることが、見直しの第一歩になります。契約アンペアや使用量の工夫でできることもあれば、電力会社・プランの見直しが合うケースもありますが、どちらを選ぶにしても、条件とリスクを確認したうえで判断することが大切です。
この記事を書いた人:ミナト先生/FP2級・元携帯キャリア営業(約1万契約)。通信費と家計の"損しない"見直しを発信しています。
※本記事の料金・制度に関する数値は2026年8月時点の情報です。最新の単価・支援策は各社および経済産業省の公式情報でご確認ください。


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