「子どもが生まれたら学資保険」というイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。一方で、最近は「学資保険より、つみたてNISAのほうが増えるらしい」という話を耳にする機会も増えています。教育費はまとまった金額が必要になるからこそ、どの方法で準備するかは慎重に考えたいところです。この記事では、学資保険という選択肢の特徴を確認したうえで、それ以外にどのような準備方法があるのかを、FPの立場から整理します(本記事は2026年8月時点の情報にもとづいています)。
結論:学資保険は選択肢の一つ。家庭の状況に合わせて選ぶもの
先に結論からお伝えすると、学資保険が向いている方もいれば、預金やつみたてNISAなど別の方法のほうが合っている方もいます。どれか一つが万人にとって正解ということはなく、「貯蓄が苦手で強制力がほしいか」「途中で解約する可能性があるか」「元本割れのリスクをどこまで許容できるか」といった、ご家庭の状況によって向き不向きが変わります。以下で、それぞれの特徴を確認していきましょう。
まず確認したい公的な教育費支援制度
民間の準備方法を検討する前に、公的にどのような支援があるかを押さえておくと、必要な準備額のイメージがつかみやすくなります。代表的な制度は次のとおりです。
| 制度名 | 概要 | 対象の目安 |
|---|---|---|
| 児童手当 | 子どもの養育者に支給される手当。所得制限の扱いや支給額は制度改正が行われることがある | 中学生・高校生年代までの子を養育する世帯 |
| 高等学校等就学支援金 | 高校の授業料の一部または全部を国が支援する制度 | 高校等に在学する生徒がいる世帯(所得要件あり) |
| 高等教育の修学支援新制度 | 大学・短大・専門学校等の授業料減免や給付型奨学金 | 住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯が中心 |
支給額・所得制限などの具体的な数値は年度や制度改正によって変わるため、本記事では記載していません。最新の内容は、こども家庭庁や文部科学省、お住まいの自治体の公式情報でご確認ください。
公的支援だけで足りない部分はどこか
上記の制度は世帯の所得や進学先によって対象が変わり、また大学の学費全体をカバーするものではありません。特に、私立大学や理系学部、下宿を伴う進学などは、公的支援だけでは不足する可能性があります。「いつ・いくら必要になりそうか」を大まかにイメージしたうえで、不足しそうな部分をどう準備するかが、次に考えるポイントになります。
学資保険という選択肢の特徴
学資保険は、毎月(または毎年)一定額を積み立て、進学のタイミングなどで祝金・満期金を受け取る保険商品です。特徴として、以下の点が挙げられます。
- 強制力がある:保険料として引き落とされるため、使い込んでしまいにくい
- 契約者に万一のことがあった場合の保障がついている商品が多い:契約者(親など)が亡くなった場合、以降の保険料払込が免除されても満期金を受け取れる設計のものが一般的
- 中途解約すると、払い込んだ保険料の合計を下回ることがある:解約するタイミングによっては元本割れするリスクがある
- 返戻率(払い込んだ保険料に対して受け取れる金額の割合)は商品や契約条件によって異なる:本記事では具体的な数値は記載しません。検討する際は見積もりで確認してください
「途中で解約するかもしれない」「保険料を毎月きちんと払い続けられるか不安」という方は、学資保険以外の方法もあわせて検討する価値があります。
学資保険以外に検討されることが多い方法
学資保険以外にも、教育資金を準備する方法はいくつかあります。それぞれの特徴を簡単に整理します。
- 預金(普通預金・定期預金):元本割れのリスクがなく、必要なときにすぐ引き出せる。一方で、低金利の環境では大きく増えることは期待しにくい
- つみたてNISA(新NISAのつみたて投資枠):非課税で運用でき、長期間積み立てることで学資保険より増える可能性がある一方、値動きのある商品を使うため元本割れのリスクがある。NISAの制度そのものについては、NISAの始め方をFPが解説【2026年8月】であわせて解説しています
- 財形貯蓄など勤務先の制度:勤務先によっては利用できる場合がある。制度の有無や条件は勤務先に確認が必要
どの方法を選ぶ場合も、「教育費が必要になる時期までに、どれくらいの期間があるか」「元本割れのリスクをどこまで許容できるか」を整理してから決めることをおすすめします。
注意点・向いていない人
- 元本割れを一切許容できない方は、値動きのある方法(つみたてNISA等)だけに頼るのはおすすめしません。預金や学資保険など、元本割れしにくい方法との組み合わせも検討材料になります
- 進学時期が数年以内に迫っている場合、これから運用を始めても十分な期間が取れない可能性があります
- 学資保険は途中解約すると元本割れの可能性があるため、「途中でやめるかもしれない」という方は加入前によく確認してください
- 保険料や返戻率は商品・契約条件によって大きく異なるため、比較検討する際は必ず複数社の見積もりを確認してください
よくある質問
Q. 学資保険とつみたてNISA、どちらが良いですか?
どちらが良いかは、リスク許容度や貯蓄の得意・不得意によって変わるため、一概にはお答えできません。元本割れを避けたい、貯蓄が苦手で強制力がほしいという方には学資保険が、長期でじっくり増やしたい方にはつみたてNISAが選択肢になりやすい傾向はありますが、最終的にはご家庭の状況に合わせて判断することをおすすめします。非課税枠の考え方はNISAの非課税枠はいくらまで?FPが解説【2026年8月】で詳しく解説しています。
Q. 児童手当をそのまま貯めるだけでも大丈夫ですか?
児童手当をそのまま貯蓄に回す方法も選択肢の一つです。ただし、進学先によっては児童手当の総額だけでは不足する可能性もあるため、必要になりそうな金額の目安を早めに確認しておくと安心です。
Q. 学資保険は途中で解約すると損をしますか?
商品や契約からの経過期間によりますが、早い段階で解約すると、払い込んだ保険料の合計を下回る(元本割れする)ことがあります。契約前に、解約返戻金の仕組みについても確認しておくことをおすすめします。
Q. 教育費はいつまでに、いくら準備しておけばいいですか?
進学先(公立・私立、自宅通学・下宿など)によって必要な金額は大きく異なります。具体的な金額の試算は個別の状況によるため、必要に応じてファイナンシャルプランナーなどの専門家にご相談ください。
ミナト先生のまとめ
家計相談の場でも、「学資保険に入っておけば安心」というイメージだけで加入を検討される方によくお会いします。学資保険には強制力があるという良さがある一方、途中解約による元本割れのリスクもあるため、預金やつみたてNISAなど他の方法とあわせて、ご家庭に合った準備方法を考えていただくのがよいと感じています。まずは公的支援でどこまでカバーできそうかを確認し、不足しそうな部分について、無理のない範囲で準備方法を選んでいくことをおすすめします。教育費以外の資産形成の考え方については、iDeCoとNISAどっちが先?FPが解説【2026年7月】もあわせてご参照ください。
この記事を書いた人:ミナト先生/FP2級・元携帯キャリア営業(約1万契約)。通信費と家計の"損しない"見直しを発信しています。
保険の必要性は世帯ごとに異なります。加入・見直しの判断は、必要に応じて専門家にご相談ください。また、つみたてNISA等の投資商品を利用する場合は、元本割れのリスクがあることにご留意ください。制度は改正される場合があります。児童手当・高校無償化・高等教育の修学支援新制度などの最新の内容は、こども家庭庁・文部科学省などの公式情報でご確認ください。


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