「NISAを始めたいけれど、何から手をつければいいのか分からない」。家計相談の場でも、とてもよく伺うご質問です。この記事では、FP2級のミナト先生が、NISAを始めるまでの流れを順番に整理します。
結論:NISAは「口座開設 → 枠の選択 → 商品の選択」の順で進めます
NISAは、運用で得た利益にかかる税金(約20%)が非課税になる制度です。始めるときは、①金融機関でNISA口座を開設する、②つみたて投資枠・成長投資枠のどちらを使うか決める、③投資する商品を選ぶ、という順番で進めます。
なお、NISAで投資できる投資信託や株式は値動きのある商品です。購入時より価値が下がる(元本割れ)可能性があります。非課税になるのは利益にかかる税金であり、損失を補てんしてくれる制度ではありません。
NISAの要点を表で確認
2026年7月時点で確認した金融庁の公表情報にもとづく数値です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| つみたて投資枠 | 年間120万円 |
| 成長投資枠 | 年間240万円 |
| 年間投資枠の合計 | 360万円 |
| 非課税保有限度額(生涯) | 1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで) |
| 非課税保有期間 | 無期限 |
| 口座開設期間 | 恒久化 |
| 対象年齢 | 18歳以上 |
出典:金融庁「NISA特設ウェブサイト」。制度は改正される場合があるため、最新の内容は金融庁の公式情報でご確認ください。
NISAの仕組みをかみ砕いて解説
通常の投資では約20%の税金がかかります
投資信託や上場株式で得た利益や配当には、通常20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)の税金がかかります(出典:国税庁)。NISA口座の中での運用益は、この税金が非課税になります。
2つの投資枠の違い
つみたて投資枠は、コツコツ積み立てる使い方に向いた枠です。成長投資枠は、より自由度の高い枠で、年間の上限額も大きくなっています。両方を併用することもできます。詳しい違いは、つみたて投資枠と成長投資枠の違いの記事で整理しています。
非課税保有限度額と枠の再利用
生涯で非課税にできる元本の上限が、非課税保有限度額(1,800万円)です。売却した分の枠は翌年以降に再利用できます。仕組みはNISAで売却すると枠は復活する?で、上限の考え方はNISAの非課税枠はいくらまでで解説しています。
注意点・元本割れリスク
- 元本割れの可能性があります。投資信託は値動きのある商品で、購入時より価値が下がることがあります。
- 損失は他の所得と通算できません。NISA口座で出た損失は、他の口座の利益などと損益通算できない点に注意が必要です。
- 枠は使い切りではありません。ただし、無理に上限まで使う必要はなく、生活費や緊急時の資金は別に確保しておくことが大切です。
- 商品によって費用が異なります。信託報酬などのコストは商品ごとに違うため、購入前に確認しましょう。
デメリットの全体像はNISAのデメリットとは?始める前の注意点でも詳しくまとめています。
NISAが向いている人・向いていない人
向いている方
- 数年から数十年と、長い期間をかけて資産形成を考えている方
- 値動きがあることを理解したうえで、余裕資金で取り組める方
- 少額から積み立てる形で始めたい方
向いていない可能性がある方
- 近い将来に使う予定のあるお金を投資に回そうとしている方
- 元本が減る可能性に強い不安を感じる方
- 生活防衛資金(急な出費に備える貯蓄)がまだ十分でない方
NISAの始め方の手順
- 家計を確認する:毎月の収支と生活防衛資金を確認し、投資に回せる余裕資金を決めます。いくらから始められるかは投資はいくらから始められる?も参考にしてください。
- 金融機関を選ぶ:NISA口座を取り扱う証券会社や銀行などから選びます。手数料や取扱商品は各社で異なるため、最新の内容は各社の公式サイトでご確認ください。
- 口座を開設する:オンラインで申し込む場合、本人確認書類とマイナンバーが必要になります。審査には一定の日数がかかります。
- 投資枠と商品を選ぶ:つみたて投資枠・成長投資枠の使い方を決め、信託報酬や投資対象の分散を確認しながら商品を選びます。特定の商品を買うべきという話ではなく、ご自身の目的に合うかを基準にします。
- 購入し、定期的に見直す:積立設定をした後も、年に1回程度は家計と運用状況を見直しましょう。
NISA口座の外で取引する場合は、特定口座と一般口座の違いも知っておくと安心です。NISAとiDeCoのどちらを先にするか迷う方は、iDeCoとNISAどっちが先?もご覧ください。
よくある質問
Q1. NISA口座はいくつも作れますか?
NISA口座は、1人1口座です。金融機関を変更する手続きは可能ですが、年ごとの変更となるため、最初の金融機関選びは慎重に行いましょう。
Q2. 18歳未満でも始められますか?
対象年齢は18歳以上です(出典:金融庁)。
Q3. 投資できる期間に期限はありますか?
非課税保有期間は無期限で、口座開設期間も恒久化されています(出典:金融庁)。
Q4. 運用益には、まったく税金がかかりませんか?
NISA口座内の運用益は非課税です(出典:国税庁)。ただし、NISA以外の口座で得た利益には通常20.315%の税金がかかります。
Q5. 少額でも始められますか?
最低購入金額は金融機関や商品によって異なります。詳細は各金融機関の公式サイトでご確認ください。
ミナト先生のまとめ
NISAは、税制面で有利な制度ですが、値動きのある商品に投資する以上、元本割れの可能性は避けられません。家計相談の場では、「制度の仕組みを理解し、無理のない金額で始める」ことを大切にしてほしいとお伝えすることが多くあります。まずは家計の確認から始めて、ご自身のペースで進めてみてください。
制度の数値は2026年7月時点で確認した金融庁・国税庁の公表情報にもとづきます。制度は改正される場合があります。最新の内容は金融庁・国税庁などの公式情報でご確認ください。
この記事を書いた人:ミナト先生/FP2級・元携帯キャリア営業(約1万契約)。通信費と家計の”損しない”見直しを発信しています。
投資判断はご自身の責任で行ってください。個別の状況に応じたご相談は、必要に応じて専門家にご確認ください。


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