エアコンの電気代を節約する方法【2026年9月】

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「エアコンの電気代が高い気がするけれど、我慢して設定温度を変えるしかないのだろうか」——そう感じたことがある方は少なくないのではないでしょうか。エアコンは家庭の消費電力の中でも特に大きな割合を占める家電のひとつです。使い方を少し見直すだけで、快適さを大きく損なわずに電気代を抑えられる余地があります。

この記事では、エアコンの電気代がなぜ高くなりやすいのか、そして設定温度・使い方の工夫でどの程度の節約が見込めるのかを、資源エネルギー庁の公表データをもとにFPの視点で解説します。

結論:設定温度と使い方の見直しで、無理のない節約ができます

結論からお伝えすると、エアコンの電気代は「設定温度を1℃見直す」「フィルターを定期的に掃除する」「使い方(モード・併用家電)を工夫する」という3つのポイントを押さえることで、我慢を強いることなく一定の節約が見込めます。ただし、体調や住環境によっては無理な節約が健康リスクにつながる場合もあるため、快適さとのバランスを取ることが前提になります。

エアコンは家庭の消費電力の中でどのくらいを占めているか

まず、エアコンが家庭の電気使用量の中でどの程度の割合を占めているのかを見てみましょう。

家電 夏季1日の電気使用量に占める割合
エアコン 34.2%
冷蔵庫 17.8%
照明器具など、その他 残り約48%

資源エネルギー庁が公表している調査(平成30年度電力需給対策広報調査事業)によると、夏季の家庭における1日の電気使用量のうち、エアコンが34.2%、冷蔵庫が17.8%を占めており、この2つで全体の半分以上に達するとされています。エアコンは家庭で使う電力の中でも特に比重が大きい家電であるため、使い方を見直したときの節約効果も比較的出やすいといえます。

そもそも電気料金はどんな内訳になっているか

エアコンの使い方を見直す前に、電気料金がどのような内訳で決まっているかを押さえておくと、「どこを削ると効果が出るのか」がわかりやすくなります。電気料金は、大きく次の4つの要素で構成されています。

  • 基本料金(またはアンペア料金):契約アンペア数や契約容量に応じて毎月固定でかかる部分
  • 従量料金:実際に使った電力量(kWh)に応じてかかる部分
  • 燃料費調整額:発電に使う燃料(原油・LNG・石炭など)の市場価格の変動を電気料金に反映させる部分
  • 再エネ賦課金:太陽光発電など再生可能エネルギーの普及を支えるために、電気の使用量に応じて全国一律の単価で上乗せされる部分

このうち、エアコンの使い方を見直すことで直接減らせるのは「従量料金」の部分です。基本料金は使用量にかかわらず一定額かかりますし、再エネ賦課金は2026年度単価が1kWhあたり4.18円(2026年5月検針分〜2027年4月検針分に適用、経済産業省が2026年3月19日に公表)と全国一律で決まっているため、エアコンの使い方だけで下げることはできません。目安として、月300kWh使用した場合の再エネ賦課金は4.18円×300kWh=1,254円になります(2026年9月時点、使用量300kWhの場合の計算例)。

具体的な見直し手順

1. 設定温度を1℃見直す

環境省は、冷暖房の使用にあたって夏は室温28℃、冬は室温20℃を目安とする考え方を示しています。あわせて、資源エネルギー庁の省エネ性能カタログに掲載されている試算例では、外気温31℃の日に冷房の設定温度を27℃から28℃へ1℃上げた場合(2.2kWクラスのエアコンを1日9時間使用した想定)、消費電力が約13%減り、年間で約940円の節約になるとされています。同様の考え方で、外気温6℃の日に暖房の設定温度を21℃から20℃へ1℃下げた場合は、年間で約1,650円の節約になるという試算も示されています(2026年9月時点)。

ここで示した金額はあくまで一定の条件(機種・使用時間・外気温)のもとでの試算例であり、実際の節約額は住宅環境や使用時間によって変わります。「設定温度を1℃変えるだけでも、消費電力にはある程度まとまった差が出る」という目安として捉えるとよいでしょう。

2. フィルターを定期的に掃除する

フィルターにほこりがたまると、風量が落ちて設定温度に到達するまでの時間が延び、余分な電力を使うことになります。2週間に1回程度を目安に掃除すると、効率の低下を防ぎやすくなります。

3. 冷房・除湿・自動運転を使い分ける

短時間で部屋を冷やしたいときは冷房、つけっぱなしで湿度が気になるときは除湿(ドライ)というように、目的に応じてモードを使い分けると無駄な運転を減らせます。機種によって除湿の消費電力の傾向は異なるため、取扱説明書で自分の機種の特性を確認しておくと安心です。

4. サーキュレーターや扇風機を併用する

室内の空気を循環させることで、設定温度を極端に変えなくても体感温度を調整しやすくなります。冷たい空気は下に、暖かい空気は上にたまりやすいため、風向きを工夫すると効率が上がりやすくなります。

5. 室外機まわりと日射を管理する

室外機の吹き出し口の前に物を置かない、直射日光を避けるために簾(すだれ)やカーテンを活用するといった工夫も、間接的にエアコンの効率を支える要素になります。

注意点・向いていない人

次のようなケースでは、設定温度の見直しだけに頼るのは注意が必要です。

  • 高齢者や乳幼児がいる家庭、持病がある方がいる家庭では、無理な節約より熱中症・低体温症のリスクを避けることを優先したほうがよい場合があります。
  • 古いエアコン(10年以上使用している機種など)は、そもそもの省エネ性能が現行機種と大きく異なることがあるため、使い方の工夫だけでは効果が限定的なことがあります。買い替えの選択肢とあわせて検討するのに向いています。
  • 断熱性能が低い住宅では、設定温度を見直しても外気の影響を受けやすく、効果を実感しにくい場合があります。

また、ここで紹介した消費電力の試算はあくまで一般的な条件下でのものです。実際の電気料金は契約している電力会社の料金プラン、燃料費調整額、再エネ賦課金などによっても変わってくるため、「これをやれば必ずこの金額が下がる」と断定できるものではない点にご留意ください。

よくある質問

Q1. 設定温度を我慢するのが体調的につらいのですが、それでも下げる(上げる)べきですか?

A. 体調を犠牲にしてまで設定温度を我慢する必要はありません。環境省の目安はあくまで一般的な指標であり、体感には個人差があります。無理のない範囲で、扇風機の併用や衣類の調整など他の工夫と組み合わせることをおすすめします。

Q2. 一日中つけっぱなしと、こまめに消すのはどちらが電気代を抑えられますか?

A. 外出時間の長さや住宅の断熱性能によって結果が変わるため、一概にどちらが得とは言い切れません。短時間の外出であればつけっぱなしのほうが再起動時の消費電力を避けられる場合がある一方、長時間の不在であればこまめに消すほうが電力を抑えられる傾向があります。

Q3. 電気代が高いのはエアコンの使い方だけが原因ですか?

A. エアコンは家庭の消費電力に占める割合が大きい家電ですが、電気代全体は基本料金・従量料金・燃料費調整額・再エネ賦課金など複数の要素で決まります。エアコンの使い方以外の要因も気になる場合は、料金の内訳から見直すことをおすすめします。

Q4. 新しいエアコンに買い替えれば、それだけで電気代は大きく下がりますか?

A. 機種の年式や省エネ性能によって差はありますが、買い替えの効果は使用状況(部屋の広さ、使用時間、断熱性能など)に左右されるため、一律に「必ず下がる」とは言えません。買い替えを検討する場合は、現在の機種の年式と省エネ性能カタログの表示を見比べることをおすすめします。

ミナト先生のまとめ

家計のご相談を受けていると、エアコンの電気代について「我慢して設定温度を変えるしかない」と思い込んでいる方によくお会いします。実際には、設定温度をほんの1℃見直すことやフィルターの掃除、扇風機との併用といった小さな工夫の積み重ねで、体調を犠牲にせずに一定の節約につなげられる余地があります。

一方で、ご自身やご家族の体調、住宅の断熱性能によって「無理なく見直せる範囲」は異なります。今回ご紹介した内容を参考にしつつ、ご家庭の状況に合わせて無理のない範囲で取り入れていただければと思います。なお、本記事内の料金・単価は2026年9月時点の情報です。最新の単価・支援策は各社および経済産業省の公式情報でご確認ください。

電気代の仕組みそのものについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

この記事を書いた人:ミナト先生/FP2級・元携帯キャリア営業(約1万契約)。通信費と家計の”損しない”見直しを発信しています。

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