自動車保険の等級の仕組みをFPが解説【2026年9月】

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「自動車保険の等級って、結局どういう仕組みなのだろう」「事故を起こして保険を使うと、どのくらい影響があるのか不安」。家計相談の場でも、等級の仕組みが分からないまま更新を続けている方は少なくありません。この記事では、FP2級のミナト先生が、等級制度の基本と事故による等級の変わり方を、専門用語をかみ砕いて解説します(2026年9月時点)。

結論:等級は「無事故を続けるほど保険料の割引が大きくなる仕組み」です

自動車保険の等級制度は、契約者の事故歴に応じて保険料の割引・割増を決める仕組みです。等級は1〜20等級に分かれており、無事故で1年間契約を続けると、翌年度に1等級上がり、保険料が下がっていきます。一方、保険を使う事故があると、事故の種類に応じて翌年度の等級が下がります。

ただし、保険料は等級だけで決まるわけではありません。年齢・車種・利用目的・走行距離などによっても変わるため、具体的な保険料は各社の見積もりで確認する必要があります。この記事では保険料の金額には触れません。

先に確認したい「公的な位置づけ」の保障:自賠責保険

自動車保険を考えるときは、まず法律で加入が義務づけられている自賠責保険(強制保険)を押さえておくのがFPとして正しい順序です。自賠責保険は、事故の被害者の人身(ケガ・死亡)を救済するための制度で、国土交通省が制度を所管しています。

項目 自賠責保険(強制) 任意の自動車保険
加入 法律で義務 自分で選んで加入
主な対象 事故の被害者の人身損害 対人・対物賠償、自分や車の損害など、補償内容を選べる
物損(相手の車・物) 対象外 対物賠償で補償を付けられる
等級制度 なし あり(1〜20等級)

出典:国土交通省「自賠責制度の概要」など。自賠責保険だけでは、相手の車や物の損害、ご自身の車の修理費などはカバーされません。この「不足分」を埋めるのが任意の自動車保険で、等級制度はこの任意保険の側にあります。

事故の種類と等級の変わり方

保険を使った事故は、翌年度の等級への影響によって、大きく3つに分けられます。

区分 翌年度の等級 イメージ
3等級ダウン事故 3等級下がる 対人・対物賠償や車両保険を使った一般的な事故
1等級ダウン事故 1等級下がる 盗難や台風・洪水などの災害による損害など
ノーカウント事故 等級は下がらない(無事故と同じく進む) ロードサービスの利用など、保険金支払いの対象とならない使い方など

どの事故がどの区分に当たるかは、保険会社や補償の種類によって細かな違いがあります。実際に事故に遭ったときは、契約中の保険会社に確認してください。

「事故有係数適用期間」という落とし穴

3等級ダウン事故などを起こすと、等級が下がるだけでなく、同じ等級でも「事故あり」の割引率が適用される期間が一定年数続きます。これを事故有係数適用期間と呼びます。等級が下がったうえに、この期間が重なるため、影響は翌年度だけでなく数年続くことがあります。

等級から見える「民間保険を使うかどうか」の考え方

小さな修理費のために保険を使うと、等級が下がって翌年度以降の保険料負担が増える場合があります。そのため、「保険を使った場合」と「自己負担で修理した場合」を、数年単位の総額で比べて判断する方法があります。判断には、修理費の見積もりと、保険会社に確認した翌年度以降の保険料の見込みが必要です。

家計相談の場では、「保険を使うかどうか」を事故の直後に慌てて決めるより、日頃から自己負担できる金額の目安を決めておく方が、落ち着いて判断できるという声をよく耳にします。これは一般論ですが、貯蓄の状況によって答えは変わります。

注意点・向いていない考え方

  • 等級だけで保険会社を選ばない:等級は保険会社間で引き継げる制度がありますが、補償内容・サポート体制・保険料の設計は各社で異なります。
  • 等級を守ることを最優先にしない:必要な補償を削ってまで保険を使わない、という判断は、大きな事故のときに家計への打撃になる可能性があります。
  • ネットの体験談をそのまま当てはめない:保険料の上がり幅は、年齢・車種・契約内容で変わります。ご自身の条件での見積もりで確認してください。
  • この記事は特定の保険商品をおすすめするものではありません。商品の比較・選定は、各社の公式情報や見積もりで行ってください。

よくある質問

Q1.等級は保険会社を変えても引き継げますか?

多くの場合、一定の条件のもとで前の契約の等級を引き継げる仕組みがあります。ただし、契約が切れて長く空いた場合などは引き継げないことがあります。手続きの条件は各社の公式情報でご確認ください。

Q2.家族の間で等級を引き継ぐことはできますか?

同居の親族間などで、一定の条件で等級を引き継げる場合があります。条件は保険会社ごとに異なるため、契約前に確認するのが安心です。

Q3.保険を使わなければ、等級は上がり続けますか?

無事故で更新を続けると1年ごとに1等級ずつ上がりますが、上限は20等級です。20等級に到達した後は、それ以上は上がりません。

Q4.等級ダウン事故か分からないとき、どうすればいいですか?

保険を使う前に、保険会社の窓口で「この使い方は何等級ダウンになるか」「翌年度の保険料がどう変わる見込みか」を確認するとよいでしょう。

ミナト先生のまとめ

等級制度は、無事故を続けるほど保険料の割引が大きくなる一方、事故で保険を使うと数年にわたって影響が残る仕組みです。まず自賠責という土台を理解し、任意保険では等級・事故の区分・自己負担できる金額をセットで考えることが、判断の手がかりになります。保険料の具体額は条件によって変わりますので、見積もりでご確認ください。

あわせて、公的保障と民間保険の役割分担については、公的保障はどこまで?民間保険の目安【2026年9月】で、保険の見直しのタイミングについては、保険の解約タイミングと注意点をFPが解説【2026年9月】で、解説しています。あわせてご覧ください。

この記事を書いた人:ミナト先生/FP2級・元携帯キャリア営業(約1万契約)。通信費と家計の”損しない”見直しを発信しています。

制度は改正される場合があります。最新の内容は国土交通省・金融庁などの公式情報でご確認ください。

保険の必要性は世帯ごとに異なります。加入・見直しの判断は、必要に応じて専門家にご相談ください。

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