電気代の明細を見ていて、「再エネ賦課金」という項目が気になったことはないでしょうか。「これは何のためのお金なのか」「毎年少しずつ上がっているように感じるけれど、なぜなのか」——家計のご相談を受けていると、こうした疑問をよく耳にします。
再エネ賦課金とは?結論から言うと
再エネ賦課金(正式名称:再生可能エネルギー発電促進賦課金)とは、太陽光発電などの再生可能エネルギーの普及を目的に、電気を使うすべての人が電気料金の一部として負担している費用のことです。電力会社が再生可能エネルギーを固定価格で買い取る「FIT制度(固定価格買取制度)」の費用を、電気の利用者全体で分担する仕組みになっています。
単価は毎年、国(経済産業省)が全国一律で決定します。2026年度(2026年5月検針分〜2027年4月検針分)の単価は1kWhあたり4.18円で、2026年3月19日に経済産業省から公表されました(出典:経済産業省「再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価を設定します」)。
ポイントは、この単価は国が全国一律で決めているため、電力会社を乗り換えても再エネ賦課金の単価そのものは変わらないという点です。「新電力に変えたら再エネ賦課金がなくなる」ということはありません。
電気代の内訳は「基本料金+従量料金+燃料費調整額+再エネ賦課金」
再エネ賦課金への理解を深めるために、まず電気料金がどのような項目で構成されているかを整理しておきます。
- 基本料金(またはアンペア料金):契約しているアンペア数などに応じて毎月固定でかかる料金
- 従量料金:実際に使った電力量(kWh)に応じてかかる料金
- 燃料費調整額:火力発電に使う燃料(原油・LNG・石炭など)の価格変動を毎月の電気代に反映させるための調整額。燃料価格が上がれば加算、下がれば減算されます
- 再エネ賦課金:使用した電力量(kWh)に、国が定めた単価を掛けて計算される費用
このうち、契約プランの見直しで金額を変えられるのは主に基本料金と従量料金の部分です。燃料費調整額と再エネ賦課金は、どの電力会社と契約していても一定のルールで計算されるため、プラン変更だけで大きく減らすことは難しい項目だと理解しておくと、電気代の見直しをするときに的外れな期待をせずに済みます。
再エネ賦課金の単価推移【2026年8月時点】
再エネ賦課金の単価は、再生可能エネルギーの導入量や買取費用の変化に応じて、毎年見直されます。近年の推移は以下のとおりです。
| 年度 | 単価(1kWhあたり) |
|---|---|
| 2024年度 | 3.49円 |
| 2025年度 | 3.98円 |
| 2026年度 | 4.18円 |
参考として、1か月に300kWhを使用する世帯の場合、再エネ賦課金の負担額は「4.18円×300kWh=1,254円」が目安になります(2026年8月時点、使用量300kWhの場合の試算)。実際の負担額は世帯ごとの使用量によって変わるため、正確な金額は検針票でご確認ください。
なお、総務省「家計調査」(2025年)によると、電気代の月平均は総世帯で10,962円、4人世帯で13,928円となっています。再エネ賦課金は、このうちの一部を占める項目という位置づけです。
再エネ賦課金の負担を抑える具体的な方法
再エネ賦課金そのものの単価は個人の努力で下げられませんが、電気代全体の負担を抑える方法はいくつかあります。
- 使用量そのものを見直す:再エネ賦課金は使用量(kWh)に比例するため、待機電力の削減やエアコンの使い方の見直しなど、使用量を抑える工夫がそのまま負担軽減につながります。
- 契約アンペアが実態に合っているか確認する:基本料金部分の見直しで、無駄な固定費を減らせる場合があります。
- 電気・ガスのセット割や料金プランを比較する:従量料金の単価やセット割の条件は会社によって異なるため、見積もりで比較検討する価値があります。ただし、乗り換えれば必ず安くなるとは限らず、市場連動型プランでは燃料価格の高騰時に想定より高額になるリスクがあること、解約金の有無、セット割の適用条件(オプション加入の要否など)は事前に必ず確認してください。
電気代の内訳をもう少し詳しく知りたい方は、電気代が高い原因と見直し方や、契約アンペアの見直し方と注意点の記事もあわせてご覧ください。
注意点:こんな誤解に気をつける
ご相談の中でよく見かける誤解を整理しておきます。
- 「新電力に変えれば再エネ賦課金がなくなる」は誤りです。単価は国が全国一律で定めるため、契約先を変えても再エネ賦課金の負担自体はなくなりません。
- 「太陽光発電を自宅に設置すれば再エネ賦課金がゼロになる」とも限りません。自家消費分は減らせますが、電力会社から電気を購入している限り、購入した分には引き続き再エネ賦課金がかかります。
- 単価は今後も一律に上がり続けるとは限りません。2024年度から2026年度にかけては上昇していますが、将来の水準は再生可能エネルギーの導入状況や制度の見直しによって変わります。断定はできないため、最新の単価・支援策は経済産業省の公式情報でご確認ください。
よくある質問
Q. 再エネ賦課金は電力会社を変えれば安くなりますか?
A. 単価自体は国が全国一律で決めているため、電力会社の乗り換えで再エネ賦課金の単価が変わることはありません。電気代全体を抑えたい場合は、従量料金やセット割など、他の項目で比較することになります。
Q. 太陽光発電を設置すれば再エネ賦課金は払わなくてよくなりますか?
A. 自家消費した電力量には再エネ賦課金はかかりませんが、電力会社から購入する電力量には引き続きかかります。全額が免除されるわけではありません。
Q. なぜ毎年単価が変わるのですか?
A. 再エネ賦課金は、再生可能エネルギーの買取に必要な費用から、電力会社が本来調達するはずだった電力の市場価格相当分などを差し引いて算定されます。再エネの導入量や市場価格の変動によって、毎年見直されます。
Q. 燃料費調整額と再エネ賦課金は同じものですか?
A. 別の項目です。燃料費調整額は火力発電の燃料価格の変動を反映するもので毎月変わる可能性があります。再エネ賦課金は年度ごとに国が定める単価で、再エネ普及のための費用です。どちらも電気代の明細に別々の項目として記載されています。
Q. 再エネ賦課金の負担額はどこで確認できますか?
A. 毎月の検針票や電力会社のWEB明細に、使用量とあわせて記載されています。正確な金額を知りたい場合は、ご自身の検針票をご確認ください。
ミナト先生のまとめ
再エネ賦課金は、電気代の明細の中では地味な項目に見えますが、使用量に比例してかかる費用である以上、家計への影響はゼロではありません。家計のご相談を受けていても、「知らない項目だから不安」という声を聞くことが少なくありませんが、仕組みを理解しておけば、それが乗り換えで解消できるものなのか、使用量の見直しで対応すべきものなのかを冷静に切り分けられるようになります。電気代を見直す際は、再エネ賦課金や燃料費調整額のような一律の項目と、プラン選びで変えられる項目を分けて考えることをおすすめします。個別の状況によって最適な見直し方法は異なるため、必要に応じて専門家にご相談ください。
この記事を書いた人:ミナト先生/FP2級・元携帯キャリア営業(約1万契約)。通信費と家計の”損しない”見直しを発信しています。


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