「格安SIMは料金が安くなるらしいけれど、実際のところ何かデメリットがあるのでは」と気になっている方は多いのではないでしょうか。ネットの口コミには「遅い」「サポートが心配」といった声もあり、乗り換えに踏み切れずにいる方も少なくありません。この記事では、格安SIMの代表的なデメリットと、それぞれの対策をFPのミナト先生が解説します。
格安SIMのデメリットは主に4つ
結論からお伝えすると、格安SIMのデメリットとして挙げられることが多いのは次の4つです。
- 昼や夜など混雑する時間帯に通信速度が落ちやすいことがある
- 店舗窓口を持たない事業者が多く、対面サポートを受けにくい
- 大手キャリアのキャリアメール(@docomo.ne.jp など)がそのままは使えない
- 初期設定や契約手続きを基本的に自分で行う必要がある
どれも「絶対に困る」というものではなく、事前に知っておけば対策できる内容がほとんどです。ひとつずつ見ていきましょう。
混雑時間帯に速度が落ちることがある
格安SIMの多くは、大手キャリアから回線を借りて通信サービスを提供する仕組みになっています。そのため、お昼休みや夕方から夜にかけてなど利用者が集中する時間帯には、通信速度が落ちやすい傾向があると言われています。動画視聴やオンラインゲームを頻繁に行う方は、体感的な違いを感じることがあるかもしれません。
対策:速度の安定性を重視する方は、大手キャリアが自ら運営する「ahamo」のような回線(いわゆるキャリア直系プラン)を選ぶという方法があります。契約前に、実際に使っている人の評判を複数の情報源で確認しておくと安心です。
店舗サポートが受けられないことがある
格安SIMはオンライン申込み・オンラインサポートが中心の事業者が多く、「わからないことがあったときに、直接相談できる窓口がない」という点をデメリットに感じる方もいます。特に、スマホの操作に不安がある方や、家族の分もまとめて手続きしたい方にとっては気になるポイントです。
対策:すべての格安SIMに店舗がないわけではありません。店舗を構えている事業者を選べば、対面でのサポートを受けることができます。
キャリアメールがそのままは使えない
格安SIMに乗り換えると、大手キャリアで使っていた「@docomo.ne.jp」「@ezweb.ne.jp」「@softbank.ne.jp」といったキャリアメールが、標準では使えなくなります。長年そのアドレスで登録しているサービスが多い方にとっては、見落としがちな注意点です。
対策:解約後31日以内に所定の手続きを行うことで、月額330円(税込)程度のオプション料金を支払ってキャリアメールを引き続き利用できる「メール持ち運びサービス」が、大手キャリア各社で用意されています。今後長く使う予定がなければ、Gmailなどのフリーメールに切り替えるのも一つの方法です。
初期設定を自分で行う必要がある
APN設定(データ通信をするための設定)やSIMカードの差し替え、eSIMの場合はプロファイルのダウンロードなど、契約後の初期設定を基本的に自分で行う必要があります。マニュアルやサポートサイトは用意されているものの、機械の操作に不慣れな方には少しハードルに感じられることがあります。
対策:家族に手伝ってもらう、店舗サポートのある事業者を選ぶ、乗り換え時期を休日や時間に余裕のある日に合わせる、といった工夫で負担を減らせます。
「速度重視」か「店舗サポート重視」かで選択肢を比較
ここでは、オンライン専用で月額を抑えたプランと、店舗サポートが受けられるプランを、同じ30GB前後の容量で比べてみます。金額はいずれも割引を適用する前の、素の月額です。
| 項目 | ahamo(オンライン専用) | ワイモバイル シンプル3 M(店舗あり) |
|---|---|---|
| データ容量 | 30GB | 30GB |
| 月額(素の金額・割引前) | 2,970円 | 4,378円 |
| 店舗サポート | なし(オンライン専用) | あり(Yステーションなど) |
| 契約事務手数料 | 0円 | 店頭4,950円/オンライン3,850円 |
| 通話 | 5分以内の国内通話が無料(申込不要) | 10分以内の国内通話が無料(シンプル3 Lのみ) |
※2026年7月時点の情報です。申込前に必ず公式サイトで最新の条件をご確認ください。
ahamo:速度と料金のシンプルさを重視する人向け
ahamoは、30GBが月額2,970円というワンプライスで、事務手数料も0円です。5分以内の国内通話は申込不要で無料になり、海外91の国・地域でも国内分と合わせて30GBまで追加料金なしで使えます(最初の利用日から15日経過後は速度が最大128kbpsに制限されます)。
一方で、オンライン専用のため店舗窓口はなく、小容量プランや家族割の仕組みもありません。「困ったときは自分でオンラインサポートを調べて解決したい」という方に向いています。
ワイモバイル:対面サポートや家族割を重視する人向け
ワイモバイルは、シンプル3 S(4GB・3,278円)/M(30GB・4,378円)/L(35GB・5,478円)の3プランを用意しており、Yステーションなどの店舗で相談できるのが特徴です。おうち割 光セット(A)で1,650円/月、PayPayカード ゴールドでの支払いでさらに550円/月の割引があり、フル適用時はS 858円/M 1,958円/L 3,058円まで下がります。家族割引は2回線目以降1,650円/月(最大10回線)です。
注意点として、2026年7月1日以降に新規契約・MNPで加入した場合、開通月から12か月以内に解約すると契約解除料(S/M 858円、L 1,100円)がかかる制度が新設されています。短期間での解約を考えている方は、あらかじめ条件を確認しておきましょう。
「対面で相談しながら手続きしたい」「家族の分もまとめて見直したい」という方には、ワイモバイルのような店舗サポートのある選択肢が向いています。
選び方のポイント
- 通信速度の安定性を重視するなら、大手キャリア系のオンライン専用プランを検討する
- 対面サポートや家族割を重視するなら、店舗を持つ格安SIMを検討する
- キャリアメールは、持ち運びサービス(有料オプション)かフリーメールへの切り替えで対応する
- 短期間での解約を予定している場合は、契約解除料などの条件を事前に確認する
よくある質問
Q. 格安SIMは本当に遅いのですか?
常に遅いわけではありません。混雑する時間帯に速度が落ちやすい傾向があるという話で、時間帯や利用場所によって体感は変わります。速度を重視する場合は、大手キャリア系の回線を選ぶという方法もあります。
Q. 店舗がない格安SIMで困ったときはどうすればいいですか?
多くの事業者はオンラインチャットや電話サポートを用意しています。それでも不安な場合は、店舗を持つ事業者を最初から選ぶのも一つの方法です。
Q. キャリアメールを使い続けることはできますか?
解約後31日以内に手続きすれば、月額330円(税込)程度のオプションでキャリアメールを引き続き利用できる「メール持ち運びサービス」があります。使わない予定であれば、フリーメールへの切り替えも検討しましょう。
Q. 格安SIMへの乗り換え手続きは難しいですか?
MNP(電話番号を引き継ぐ手続き)を含め、手順自体は決まっています。詳しい手順は「格安SIMへの乗り換え手順とやり方【2026年7月】」でも解説していますので、あわせてご覧ください。
Q. eSIMとSIMカード、どちらを選べばいいですか?
対応機種であればeSIMはカードの抜き差しが不要で、オンラインで即日切り替えできるという利点があります。仕組みや注意点は「eSIMとは?仕組みとメリット・デメリット【2026年7月】」で詳しく解説しています。
ミナト先生のまとめ
元キャリア営業として店頭に立っていたころ、格安SIMへの乗り換えを検討しているお客様からいちばんよく聞かれたのは「本当に安くなるの?」ではなく「何かあったときに、ちゃんと対応してもらえるの?」という不安の声でした。デメリットの多くは、事前に知って備えておけば大きな問題にならないことがほとんどです。速度・サポート・メールのどれを優先するかは、家族構成や普段の使い方によって変わります。ご自身やご家族の生活スタイルに合わせて、無理のない選択をしていただければと思います。
なお、通信費とあわせて家計を見直す際は、光回線とスマホをセットにする割引も視野に入れると節約効果が大きくなることがあります。気になる方は「光回線のスマホセット割を比較【2026年7月】」もご参考ください。
この記事を書いた人:ミナト先生/FP2級・元携帯キャリア営業(約1万契約)。通信費と家計の"損しない"見直しを発信しています。


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