契約している新電力が撤退や倒産をしたとき、「電気が止まるのでは」と不安になる方は少なくありません。結論からお伝えします。
結論:電気がすぐ止まらないよう、供給を引き継ぐ仕組みが用意されています
契約中の小売電気事業者が撤退・倒産しても、送電網そのものは地域の送配電事業者が管理しているため、電気がその場で止まる仕組みにはなっていません。事業者が撤退等をした場合に、空白期間をつくらず電気を届けるための制度(最終保障供給など)が設けられています。ただし、引き継がれた後の料金は元のプランと同じとは限らず、割高になる場合があります。詳細な運用は時期により見直されることがあるため、最新の内容は資源エネルギー庁の公式情報でご確認ください(2026年10月時点)。
なぜ新電力の撤退が起きたのか
2021年以降、新電力の事業撤退や料金改定、供給条件の見直しが相次いだ時期がありました。背景のひとつは、自社で発電所を持たない事業者が、電力の卸売市場(JEPX)から電気を仕入れていたことです。仕入れ価格が大きく上がると、お客さまへの販売価格との差で採算が合わなくなる可能性があります。
電気料金は「基本料金(またはアンペア料金)+従量料金+燃料費調整額+再エネ賦課金」で成り立っています。このうち燃料費調整額の仕組みは、燃料費調整額とは?仕組みと今後の見通しで解説しています。
撤退の連絡が来たときの流れ
- 通知を確認する:メールや郵送で、契約終了の時期と今後の案内が届くのが一般的です。迷惑メールに入っていないかも確認しましょう。
- 慌てて契約先を決めない:何もしなくても供給が引き継がれる仕組みがあるため、数日で決める必要はありません。
- 次の契約先を比較する:地域の大手電力の標準的なプラン、他の新電力などを、お住まいの地域・契約アンペア・使用量で比較します。
- 最終保障供給の料金を確認する:引き継ぎ先の料金は、通常のプランと考え方が異なる場合があります。案内の条件を必ず読みましょう。
- 解約・申込みの時期に注意する:切り替えには申込みから開始まで一定の日数がかかります。
料金メニューのタイプ別に見るリスクの目安
| タイプ | 特徴 | 気をつけたい点 |
|---|---|---|
| 燃料費調整額に連動するタイプ | 大手電力の標準的な料金体系に近い | 燃料価格の影響を受ける。事業者ごとに上限の有無が異なる |
| 市場連動型 | 卸市場の価格に応じて単価が変動する | 需給がひっ迫した時期は単価が高くなる可能性がある |
| 固定的な単価のタイプ | 見通しを立てやすい | 事業者の判断で料金改定や条件変更が行われる場合がある |
※具体的な単価は地域・契約アンペア・プランで大きく変わります。全国一律の金額では比較できません。
新電力を選ぶとき、撤退リスクの面で確認したいこと
- 料金が市場連動型か、上限があるか
- 解約金や契約期間の縛りがあるか
- ガスや通信とのセット割は、条件を満たさなくなると割引が外れること
- 事業者の登録状況や運営の継続性(経済産業省・資源エネルギー庁が公開する登録事業者の情報が確認できます)
切り替えのメリットとデメリットの全体像は、電気の乗り換えのデメリットと注意点にまとめています。乗り換えれば安くなるとは限らず、使い方や地域によっては大手電力のプランのほうが合う方もいます。
向いていない・慎重に考えたい人
- 月ごとの電気代の変動に家計が耐えにくい方(市場連動型は慎重に)
- 通知やメールをこまめに確認できない方
- 使用量が多い時期(冷暖房シーズン)に切り替えを予定している方
家計相談の場でも、「安さだけで選んで、条件の変更に気づかなかった」というお話は一般論としてよく耳にします。料金表だけでなく、条件変更時の連絡方法や解約条件まで見ておくと安心です。
よくある質問
Q. 撤退の通知を無視したらどうなりますか?
A. 供給が引き継がれる仕組みはありますが、料金体系が変わる可能性があります。通知の内容は必ず確認してください。
Q. 引き継ぎ後はずっとそのままでよいですか?
A. 引き継ぎ先の料金が自分の使い方に合っているとは限りません。落ち着いてから、改めて契約先を比較することをおすすめします。
Q. 撤退前に払った電気代は戻りますか?
A. 精算の扱いは事業者や状況により異なります。案内文書の内容や、資源エネルギー庁・各社の窓口でご確認ください。
Q. 大手電力なら撤退の心配はありませんか?
A. 事業者によって状況が異なるため、一概には言えません。料金改定の可能性はどの事業者にもあります。
電気料金は燃料費調整額・市場価格・政府支援で変動します。ここでの内容は2026年10月時点の一般的な整理です。最新の単価・支援策や制度の運用は、各社および経済産業省・資源エネルギー庁の公式情報でご確認ください。個別の状況によるため、必要に応じて専門家にご相談ください。
この記事を書いた人:ミナト先生/FP2級・元携帯キャリア営業(約1万契約)。通信費と家計の”損しない”見直しを発信しています。
ミナト先生のまとめ
新電力が撤退しても、電気がすぐ止まらないよう供給を引き継ぐ仕組みがあります。大切なのは、通知を確認し、慌てずに、条件を読んで次の契約先を比べることです。切り替えは「安くなる可能性」と「条件変更・撤退のリスク」を両方見て、ご自身の家計に合うかどうかで判断してみてください。


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