電気の乗り換えのデメリットと注意点【2026年9月】

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結論:電気の乗り換えは「安くなる場合もあるが、リスクの確認が先」です

電力会社の乗り換え(切り替え)は、使い方やお住まいの地域、選ぶプランによって電気代が下がる場合があります。一方で、市場連動型プランでの料金の変動、解約金や契約期間の縛り、セット割の適用条件、事業者の撤退・料金改定といったデメリットもあります。「乗り換えれば安くなる」とは言い切れないため、内容を理解したうえで判断することが大切です。

私はFP2級として、また元携帯キャリアの営業として、契約の見直し相談を受けることがあります。電気に限らず、「料金の安さ」だけで決めて、後から条件に気づく方は少なくありません。この記事では、乗り換え前に確認しておきたい注意点を整理します。

そもそも電気料金は何で決まる?

乗り換えで変わる部分と変わらない部分を分けて考えると、期待値がつかみやすくなります。電気料金は、大きく次の4つの合計です。

項目内容乗り換えで変わるか
基本料金(アンペア料金)契約の大きさに応じて毎月かかる料金会社・プランにより異なる
従量料金使った電気の量(kWh)に応じた料金会社・プランにより異なる
燃料費調整額燃料価格の変動を料金に反映する調整分算定方法が会社により異なる場合がある
再エネ賦課金再生可能エネルギーの買取費用を負担する仕組み全国一律の単価で、乗り換えても変わらない

再エネ賦課金の単価は、経済産業省が2026年3月19日に公表した2026年度分で1kWhあたり4.18円です(2026年5月検針分から2027年4月検針分に適用)。どの電力会社と契約していても同じ単価がかかるため、乗り換えで削れるのは主に基本料金・従量料金・燃料費調整額の部分です。詳しくは再エネ賦課金とは?仕組みと単価を解説と燃料費調整額とは?仕組みと今後の見通しで説明しています。

乗り換えの主なデメリット・注意点

1. 市場連動型プランは料金が大きく変わる可能性がある

市場連動型とは、電気の卸売市場(JEPX)の価格に連動して従量料金が変わるプランです。市場価格が低い時期は有利に働くことがありますが、価格が高騰した時期には、請求額が想定を大きく上回る場合があります。実際に2021年以降、市場価格の高騰で高額な請求が話題になった時期がありました。資源エネルギー庁も、市場連動型プランでは価格高騰時のリスクについて十分な説明を受けるよう案内しています。家計の固定費として安定させたい方は、固定単価型のプランかどうかを確認するのが無難です。

2. 解約金・契約期間の縛りがある場合がある

電力会社の切り替えは、原則として解約金がかからないケースが多いとされています。ただし、プランによっては契約期間や解約金が設定されている場合があります。「乗り換えてみて合わなかったので戻す」という場面で費用が発生しないか、申し込み前に契約書面で確認しておきましょう。

3. セット割は条件を満たさないと適用されない

スマホ・ガス・ネット回線などとのセット割を前面に出したプランがあります。割引額は、対象サービスの契約有無や支払い方法などの条件で決まります。条件を満たせないと割引が受けられず、乗り換え前より高くなることもあります。セット割を使う場合は、対象となる他社サービスの契約状況も含めて総額で比べることが大切です。

4. 事業者の撤退・料金改定・キャンペーン終了がある

新電力の中には、市場価格の高騰などを背景に、新規受付を停止したり、事業から撤退したりした事業者がありました。契約している会社が撤退した場合でも、すぐに電気が止まるわけではなく、供給停止日までに新しい切り替え先を選べます。もし切り替え先が決まらなかった場合は、送配電事業者による「最終保障供給」が適用されますが、この料金は通常のプランより割高になる傾向があります。撤退の通知が届いたときは、早めに次の契約先を検討しましょう。

5. 窓口・サポートの違い

停電などの設備トラブルは、契約先にかかわらず地域の送配電事業者が対応します。一方、料金や契約に関する問い合わせ先は各電力会社です。電話が混み合う時期の対応や、Web中心のサポートかどうかも、乗り換え前に確認しておくと安心です。

乗り換えが向いている人・向いていない人

  • 向いている傾向がある方:電気の使用量が比較的多く、現在の契約が古いプランのままの方。契約内容(固定単価・解約金なし等)を自分で確認できる方。
  • 慎重に検討したい方:使用量が少なく、基本料金の差が中心になる方。家計の変動を極力避けたい方。市場連動型の仕組みを十分に理解していない方。

電気の使い方そのものを見直したい方は、電気代の節約方法とは?基本と注意点や契約アンペアの見直し方も参考になります。乗り換えより先に、契約アンペアや使い方の見直しで改善できる場合もあります。

乗り換え前のチェック手順

  1. 直近1年分の検針票(またはWebの使用量履歴)で、月ごとの使用量と契約アンペアを確認する。
  2. 候補のプランが「固定単価型」か「市場連動型」かを確認する。
  3. 契約期間・解約金・違約金の有無を、契約書面で確認する。
  4. セット割がある場合は、適用条件と、条件を外れたときの料金を確認する。
  5. お住まいの地域と使用量を入力し、公式サイトや見積もりで総額を比べる。

料金は地域・契約アンペア・使用量で大きく変わるため、他の人の金額をそのまま当てはめることはできません。お住まいの地域での金額は、必ず見積もりでご確認ください。

よくある質問

Q. 乗り換えると停電しやすくなりませんか?

電気を送る設備(送配電網)は、契約先が変わっても同じ地域の送配電事業者が管理します。そのため、電力会社を変えたこと自体が原因で電気の品質が変わることは、通常ありません。

Q. 手続きに工事や立ち会いは必要ですか?

スマートメーターに交換済みのご家庭では、原則として工事や立ち会いなしで切り替えられる場合が多いとされています。交換が必要な場合の流れは、申し込み先の案内でご確認ください。

Q. 今の電力会社に解約の連絡は必要ですか?

一般的には、新しい電力会社への申し込みで切り替え手続きが進み、現在の会社への解約連絡は不要とされています。ただし、会社ごとに案内が異なる場合があります。詳しくは資源エネルギー庁の「電力会社の切り替え方法」のページもご確認ください。

Q. 乗り換えた電力会社が撤退したらどうなりますか?

供給停止日までに新しい契約先を選べば、電気は継続して使えます。選ばないまま停止日を迎えると、最終保障供給に移る場合があります。通知が届いたら、早めに見直しを進めましょう。

この記事を書いた人

この記事を書いた人:ミナト先生/FP2級・元携帯キャリア営業(約1万契約)。通信費と家計の”損しない”見直しを発信しています。

ミナト先生のまとめ

電気の乗り換えは、条件が合えば電気代の見直しにつながる場合があります。ただし、市場連動型プランの変動リスク、解約金や契約期間、セット割の適用条件、事業者の撤退や料金改定といった点は、事前に確認しておきたいところです。「安くなるかどうか」だけでなく、「安定して続けられるか」という視点でも比べてみてください。個別の状況によるため、必要に応じて専門家にご相談ください。

※本記事の内容は2026年9月時点の情報です。電気料金は燃料費調整額・市場価格・政府の支援策などで変動します。最新の単価・支援策は、各社および経済産業省・資源エネルギー庁の公式情報でご確認ください。

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