「引っ越しが決まったけれど、新しい住まいでインターネットをどうするか決めていない」——そんなご相談は、キャリア営業の時代から数多く受けてきました。特に引っ越しシーズンは光回線の工事予約が混み合い、入居後しばらくネットが使えないケースも珍しくありません。
この記事では、工事が不要な「ホームルーター」が引っ越しのタイミングに向いている理由と、事前に知っておきたい注意点を、FPの視点も交えて解説します。
結論:入居後すぐに使いたい方にはホームルーターが有力な選択肢
結論からお伝えすると、引っ越し直後からインターネットを使いたい方、あるいは光回線の工事日程がまだ確定していない方には、ホームルーターが有力な選択肢になります。コンセントに挿すだけで使い始められ、開通工事の予約を待つ必要がありません。
ただし、ホームルーターは電波を使う通信のため、光回線と比べて①速度が設置場所や建物の環境に左右されやすい、②利用者が集中する時間帯に速度が落ちることがある、③大容量の通信を続けると速度制限がかかる場合がある、という特徴があります。オンラインゲームや在宅勤務でのビデオ会議を主な用途にする方は、後述のとおり光回線のほうが向いています。
ホームルーター・ポケット型WiFi・レンタルWiFiの違い
「工事不要のネット」とひとくくりにされがちですが、実際には目的に応じて3つのタイプに分かれます。まずは違いを整理します。
| タイプ | 特徴 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| ホームルーター | コンセントに挿すだけ。工事不要。据え置きで持ち運びは想定していない。 | 自宅でのメイン回線・引っ越し直後のつなぎ |
| ポケット型WiFi | バッテリー駆動で持ち運べる。外出先でも使える。 | 自宅と外出先の両方でネットを使いたい人 |
| レンタルWiFi | 数日〜数週間の短期利用が前提。契約不要・返却前提。 | 仮住まいや出張など一時的な利用 |
引っ越し先に長く住む予定で、外出先での利用は考えていない場合はホームルーター、仮住まいなど数週間だけの利用ならレンタルWiFiが選択肢になります。
引っ越し先でホームルーターが向いている人・向いていない人
元キャリア営業として相談を受けていた頃も、「工事ができない賃貸物件に住んでいる」「引っ越しが多く、光回線の契約に踏み切れない」という理由でホームルーターを検討される方が多くいらっしゃいました。次のような方には向いていると言えます。
- 入居後すぐにインターネットを使いたい方
- 賃貸物件の規約などで光回線の工事ができない、または許可が下りるまで時間がかかる方
- 数年以内にまた引っ越す可能性があり、長期契約や工事に踏み切りたくない方
一方で、次のような方は光回線を検討したほうが後悔が少なくなります。
- オンラインゲームや配信など、通信の安定性を重視する方
- 在宅勤務でビデオ会議を頻繁に行う方
- 複数人で同時に大容量の通信を行う家庭
光回線の工事期間の目安については、以下の記事でも解説していますので、あわせてご確認ください。
「データ無制限」の表示だけで判断しない
ホームルーターの広告では「データ容量無制限」という表記をよく見かけますが、これは「まったく制限がない」という意味ではないケースがほとんどです。多くのサービスでは、短期間に大量の通信を行うと、通信会社側の判断で速度が制限されることがあります。契約前には、無制限の条件や制限がかかる目安について、公式サイトで確認しておくことをおすすめします。
チャージ式・クラウドSIM型を選ぶ場合の注意点
ホームルーターの中には、特定の回線会社に紐づかない「クラウドSIM」を使い、使った分だけチャージする料金体系のサービスもあります。契約期間の縛りがない手軽さが魅力ですが、この分野は事業者の入れ替わりが激しく、過去には大手サービスが終了し、利用者への返金対応が問題になった例もあります。契約前には、運営会社の実績や、解約時の条件、返金の有無を確認しておくと安心です。
SoftBank Airの特徴
工事不要のホームルーターとして代表的なサービスの一つがSoftBank Airです。ソフトバンクが提供しており、電源を入れるだけで利用を始められます。
2026年8月時点では、申込みの窓口によって現金キャッシュバックのキャンペーンが用意されており、通常窓口では30,000円、オプション加入が不要な窓口では最大50,000円(最短で契約翌月末に進呈)といった条件が案内されています。ただし、これらは各窓口が広告で示している金額であり、時期や条件によって変わるため、確定額として捉えず「◯◯円程度から」という目安で考えてください。
データ容量が実質無制限とされていますが、前述のとおり大量通信時には速度制限がかかる場合があります。オンラインゲームや大人数世帯での利用を検討している場合は、対応エリアと合わせて公式サイトで最新の条件を確認しておきましょう。
▶ SoftBank Airの公式サイトで最新の料金・キャンペーンを確認する
工事不要のホームルーターには、SoftBank Airのほかにも、GMOとくとくBBのホームWi-FiやWiMAX回線を使ったサービスなど複数の選択肢があります。契約期間や解約条件、対応エリアはサービスによって異なるため、比較検討する際は各社の公式サイトでご確認ください。
選び方のポイント
- 対応エリア:申し込み前に、新しい住所が対応エリア内かを公式サイトで確認する
- 契約期間と解約条件:短期解約時に違約金が発生しないかを確認する
- 速度制限の条件:「無制限」の表示だけで判断せず、制限がかかる目安を確認する
- キャンペーンの適用条件:オプション加入の要否や還元の受取時期を確認する
一人暮らしでの光回線選びについては、以下の記事でも比較していますので、長期的に光回線への切り替えを検討する際の参考にしてください。
よくある質問
Q. 引っ越し当日からインターネットを使いたいのですが、可能ですか?
A. ホームルーターは工事が不要なため、機器が手元に届けばコンセントに挿してすぐ利用を始められます。ただし配送状況によっては数日かかる場合もあるため、引っ越し日が決まったら早めに申し込んでおくと安心です。
Q. ホームルーターだけで光回線の代わりになりますか?
A. 用途によります。日常的なウェブ閲覧や動画視聴が中心であれば十分なケースが多いですが、オンラインゲームやビデオ会議を頻繁に行う方には、通信が安定しやすい光回線が向いています。
Q. 「データ無制限」と書いてあれば使い放題ですか?
A. サービスによっては、短期間に大量の通信を行うと速度制限がかかることがあります。契約前に制限の条件を確認しておきましょう。
Q. 短期間だけ住む場合はどうすればいいですか?
A. 数日から数週間程度の短期利用であれば、契約不要で返却前提のレンタルWiFiのほうが向いている場合があります。
Q. ホームルーターとは何か、基本から知りたいです。
A. 別記事「ホームルーターとは?仕組みと選び方」で仕組みから解説していますので、あわせてご覧ください。
ミナト先生のまとめ
引っ越しは、ネット環境を含めて決めることが多く、慌ただしくなりがちです。工事の予約が間に合わない、あるいは長期契約に踏み切りたくないという場合には、ホームルーターが選択肢の一つになります。一方で、通信の安定性を重視する方や在宅勤務が中心の方は、光回線もあわせて検討することをおすすめします。ご自身の利用状況に合わせて、無理のない選択をしていただければと思います。
なお、通信サービスの契約は個別の住まいの状況(建物の設備や電波状況など)によって適否が変わります。判断に迷う場合は、各社の窓口にも相談しながら検討してください。申込み前には、必ず公式サイトで最新の料金・キャンペーン条件をご確認ください。
この記事を書いた人
この記事を書いた人:ミナト先生/FP2級・元携帯キャリア営業(約1万契約)。通信費と家計の”損しない”見直しを発信しています。


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