医療費控除はいくらから?計算方法と申告の流れをFPが解説【2026年11月】

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医療費控除は、1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費から保険金などで補てんされる金額を差し引き、さらに「10万円」を差し引いた金額が控除の対象になる制度です。ただし、その年の総所得金額等が200万円未満の人は、10万円ではなく総所得金額等の5パーセントの金額を差し引きます。この記事では、国税庁の情報をもとに、医療費控除がいくらから使えるのか、計算方法、セルフメディケーション税制との違い、確定申告の流れを、FPの目線でわかりやすく解説します。

結論:家族分を合算して10万円(所得が少ない人は総所得金額等の5%)を超えたら検討

医療費控除は、自分だけでなく、生計を一にする配偶者や親族のために支払った医療費も合算できます。家族の医療費を合わせて、保険金などで補てんされる金額を差し引いた残りが10万円(総所得金額等が200万円未満の人はその5パーセント)を超えるかどうかが、検討の目安です。控除額の上限は200万円です(2026年11月時点・国税庁タックスアンサーNo.1120より)。

医療費控除の計算方法(2026年11月時点・国税庁より)

項目内容
計算式(実際に支払った医療費の合計額 − 保険金などで補てんされる金額)− 10万円
10万円の特例総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5パーセントの金額
上限最高200万円
対象期間その年の1月1日から12月31日までに支払った医療費(未払いの分は実際に支払った年の対象)
対象者自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費

「保険金などで補てんされる金額」に注意

国税庁は、補てんされる金額の例として、生命保険契約などで支給される入院費給付金や、健康保険などで支給される高額療養費・家族療養費・出産育児一時金などを挙げています。また、補てんされる金額は、その給付の目的となった医療費の金額を限度として差し引き、引ききれない金額が生じても他の医療費からは差し引かないとされています。民間の医療保険から給付金を受け取った場合は、その分を忘れずに差し引きましょう。

FPとして家計相談を受ける中での一般的な傾向として、医療費控除を使っていない方の多くは「自分一人では10万円を超えないから」とあきらめています。家族の分を合算できることを知るだけで、対象になるケースは少なくありません。1年分の領収書や医療費通知を、家族の分もまとめて保管しておくのがおすすめです。

セルフメディケーション税制との違い

医療費控除の特例として、セルフメディケーション税制があります。国税庁によると、一定の健康診断や予防接種などを行っている人が、対象となる市販薬(特定一般用医薬品等)を購入した場合、その年の購入費のうち12,000円を超える部分(88,000円が限度)を控除できる制度で、通常の医療費控除とはどちらか一方を選んで使います(2026年11月時点・国税庁タックスアンサーNo.1120より)。通院が少なく市販薬をよく使う人は、こちらのほうが有利になる場合があります。

申告の流れと必要な書類

  • 医療費控除の明細書を作る:医療費の領収書をもとに作成し、確定申告書に添付します。
  • 医療費通知を活用する:健康保険から届く医療費通知を添付すると、明細書の記載を簡略化できます。
  • 領収書は保管する:国税庁によると、確定申告期限等から5年を経過する日までの間、領収書の提示や提出を求められる場合があります。
  • 確定申告書を提出する:会社員でも、医療費控除を受けるには確定申告が必要です。

年末調整と確定申告の違いは年末調整と確定申告の違い、副業がある人の申告は副業の確定申告は20万円以下なら不要?、ほかの控除は生命保険料控除でいくら戻る?やiDeCoの年末調整の書き方で解説しています。

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デメリット・注意点

  • 医療費控除は所得控除なので、支払った医療費がそのまま戻るわけではありません。戻る税額は所得や税率によって変わります。
  • 保険金などで補てんされる金額を差し引き忘れないようにしましょう。
  • セルフメディケーション税制と通常の医療費控除は、どちらか一方しか選べません。
  • 対象になる医療費・ならない費用の区別は、国税庁の情報で確認しましょう。

向いている人・向いていない人

  • 医療費控除を検討したい人:家族の医療費を合わせると多くなった人/出産や入院、歯の治療などで支払いが大きかった人
  • セルフメディケーション税制も比べたい人:通院は少ないが、対象の市販薬をよく購入する人

よくある質問

Q. 共働きの夫婦はどちらが申告すればいいですか?

A. 生計を一にする家族の医療費は合算して、一人がまとめて申告できます。一般的には、所得税率が高い人が申告すると戻る税額が大きくなりやすいとされています。

Q. 年末調整で医療費控除は受けられますか?

A. 医療費控除は年末調整では受けられないため、確定申告が必要です。

Q. 領収書をなくしてしまったら?

A. 健康保険から届く医療費通知を使える場合があります。通知に載っていない費用は、医療機関に相談して再発行などができるか確認しましょう。

ミナト先生のまとめ

医療費控除は、家族の医療費を合算し、保険金などで補てんされる金額を差し引いたうえで、10万円(総所得金額等が200万円未満の人はその5パーセント)を超えた部分が対象になります。年末に向けて領収書や医療費通知をまとめておき、セルフメディケーション税制とも比べて有利なほうを選びましょう。申込前に必ず公式サイトで最新の条件をご確認ください。

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この記事を書いた人:ミナト先生/FP2級・元携帯キャリア営業(約1万契約)。通信費と家計の”損しない”見直しを発信しています。

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